前回からの続きです。
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プロジェクトの作成(Eclipse編)
前回までの作業で、開発環境をインストールし、Arduino Mega2560版TOPPERS/ASPのソースコードをダウンロードし、それをコマンドラインでビルドするまでを行いました。
このままずっとコマンドラインで作業するのもシンドいので、Eclipse上でビルドが行えるようにプロジェクトを作成しましょう。
このページ(TOPPERS/ASPのビルドからデバッグまで~サンプルプロジェクトのデバッグ)の「プロジェクトの作成」および「プロジェクトのクリーンとビルド」の項目を参考にプロジェクトを作成してください。
「デバッガの登録」の項目は読み飛ばしてください。
今回はデバッグ作業をこのEclipse上で行わず、次にプロジェクトを作成する「Microchip Studio」上で行う方針なので、この作業は必要ありません。
Eclipseの画面右側に以下のようなアイコンが表示されて、これらをダブルクリックすることによりビルドができるまでを確認してください。
これでEclipse上でのプロジェクトの作成は完了です。
Eclipseを閉じる前に、次の作業のために「realclean」を実行しておいてください。
プロジェクトの作成(Microchip Studio編)
さて、もう一方のIDEである「Microchip Studio」用のプロジェクトも作りましょう。
とはいえ、既にこのプロジェクトはソースコードの「OBJ」ディレクトリ内に用意してあります。
(いやいや、ちゃんと自分で一から作りたい!という方は下記<補足>を参照のこと。)
「asp.atsln」というファイルがそれです。
これをダブルクリックすると「Microchip Studio」が起動します。
(初回は信じられないくらい起動が遅いです。
これだから極力使いたくないんですよね…。)
起動の途中に以下のようなダイアログが表示されるかもしれません。
開こうとしている「Microchip Studio」のバージョンが、このプロジェクトファイルが作られた時と違うじゃないか!って怒って(?)ます。
問題ないので「Yes」をクリックします。
さらにしばらく待つと、ようやく以下のようにIDEが起動します。
画面右上の「VA Outline」というウィンドウの下の「Solution Explorer」タブをクリックしてください。
「Solution Explorer」タブにTOPPERS/ASPのソースコードが表示されているのを確認してください。
さて、この「Microchip Studio」でもTOPPERS/ASPをビルドしてみましょう。
画面上部の「Build」メニューから「Build Solution」の項目をクリックします。
ビルドが開始され、今までコマンドラインやEclipdeで見たようなビルドメッセージが画面下部に表示されれば、「Microchip Studio」上でのプロジェクトの作成は完了です。
<補足>
TOPPERS/ASPは独自のMakefileを使用してビルドします。
「Microchip Studio」で普通にプロジェクトを作成した際に自動的に生成されるMakefileではビルドができません。
したがって、TOPPERS/ASP用のプロジェクトを「Microchip Studio」で作成する場合は、TOPPERS/ASP用の既存のMakefileを指定してプロジェクトを作成する必要があります。
「Microchip Studio」でこれを行う場合は、プラグインをインストールする必要があります。
画面上部の「Tools」メニューから「Extentions and Updates...」の項目をクリックします。
以下のようなウィンドウが表示されたら、左のリストから「Online」をクリックします。
以下のようなウィンドウが表示されます。
多くのプラグインがあります。
既存のMakefileからプロジェクトを作成するためのプラグインは「Create Project from Makefile」という名前なので、このウィンドウの右上の検索ボックスに入力しましょう。
あった、これだ!
「Download」ボタンをクリックしてプラグインをインストールします。
お約束のライセンス画面。
「Install」をクリック。
インストールが完了したプラグインを使用するためには、「Microchip Studio」を再起動する必要があるみたいです。
「Restart Now」をクリックします。
再起動後に画面上部の「Tools」メニューを見てみると、「Create Project from Makefile」が追加されているのが確認できるはずです。
これを実行するとウィザード形式で既存のMakefileから「Microchip Studio」のプロジェクトが作成できます。
最初から入っている「OBJ」ディレクトリの中の「asp.atsln」も、こうやって作りました。
一からプロジェクトを作るときの参考にしてください。
次回は、いよいよビルドしたTOPPERS/ASPを実際のハードウェアに転送して実行・デバッグを行うまでを見ていきましょう。
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