2022年10月12日水曜日

TOPPERS/ASP - MSP430版 その1

TOPPERS/ASP - MSP430版 概要

まだマイコンに低消費電力が今ほどうるさく求められていなかった1990年代初頭(今から30年くらい前!)に、この分野にいち早く目を付けた先進的な製品がTexas Instruments(以下「TI」)のMSP430です。


今では、MSP432というARM(Cortex-M4)コアにMSP430のペリフェラル(周辺機器)をそのまま搭載した後継機種が出ております。

MSP432の方が性能(クロック当たりの演算スコア)が高いのは当然ですが、それほど高い処理能力は必要とせず、コスト重視、且つとにかく低い消費電力が求められるシーンでは、MSP430もまだまだ現役です。

当初はROMやRAMも小さい容量の型番しかありませんでしたが、時代とともに進化し、今では十分にRTOSの搭載も検討できる容量ラインナップも増えてきました。

そこで、このMSP430に「μITRON4.0」準拠のRTOS(リアルタイムOS)であるTOPPERS/ASPを移植してみました。

かなりメジャーなマイコンなので、公式でリリースされていないのは不思議ですけどね。

MSP430は16ビットのマイコンで、独自コアのRISCです。

GCC系のコンパイラが提供されており、TIの開発環境やサンプルプログラムも充実しています。

MSP430最大の売りである低消費電力を保持しつつ、TOPPERS/ASPを実装することが今回のキモになります。

さて、上手く実装できるでしょうか?


必要なもの

TIは、自社のマイコンを搭載した評価ボードのラインナップが豊富です。

今回は、MSP430の「MSP430F5529」を搭載した「MSP-EXP430F5529LP」という評価ボードを使います。

こちらで買うと、2,500円くらいですね。


他の型番への移植も可能ですが、TOPPERS/ASPを搭載して動作させるならROM:128KB/RAM:8KB以上の容量を持つ型番を選びましょう。

また「MSP-EXP430F5529LP」を使用する場合、デバッガーは必要ありません。

この評価ボードには既にデバッガーも実装されています。

「MSP-EXP430F5529LP」を使用しない場合は「MSP-FET」というMSP430に対応したTIのデバッガを使用する必要があります。

こちらで買うと、22,000円くらいですね。


高すぎてやってられません。

ですので、それを搭載している「MSP-EXP430F5529LP」が如何にお買い得かが分かりますね。

このブログでは「MSP-EXP430F5529LP」を使用した場合の例を説明していきたいと思います。


ダウンロード/GitHub

ソースコードの入手は、こちらからどうぞ。

なるべく定期的にメンテナンスするようにしていますので、動きがおかしいな?という場合は最新版に更新をお願いします。

それでもダメな場合はコメントください。


では、次回からは、開発環境の構築やビルド方法を見ていきましょう!


<続く>

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